【polestars - 蛇足の登場人物語り】
天宮 北斗:
連載終了して今更、十年前は名字が「相良」だったということを思い出しましたが、今は一年一組出席番号一番の双子兄。南斗と比べられ続けてひねたという設定のため、序盤では似た性格設定の、昔作った和風ファンタジーの主人公Kと重ねていた節が見られます(主に地の文の口調に[注:改訂時に全て修正しました])。ノマ時代を知る友人に説明する時も「例えるならばM×Kだと思って」なんて言ってましたし(Mは同じ作品に出てくる別の男キャラ)。
しかし連載が進むにつれ、筆者の中ではどんどん北斗は北斗自身として育っていきました。そのぶん筆者の中で萌えも愛着も半端無いぐらい増大していった感があります。元々自キャラ萌えが昔から執筆の最大の原動力なので。ツンデレ萌えに近いと言いますか、ひねた性格のキャラが特定の相手にだけ素直になるのに弱いのですよ……。その特定の相手が序盤は幸崎に振られていましたが(笑)
筆者の心の中ではどんな目に遭っても永遠のピュア担。そのせいか時々どこからとも無く呪詛が聞こえます。
天宮 南斗:
最強ヘタレにして屈指のエロ担というとんでもない二重苦をいつの間にか背負ってしまい、十年前の面影を全く留めなくなった双子弟。南斗が年を越してまでへたれたのは、間違いなくギリギリまで残った幸崎フラグのせいです; 休み中だと北斗は幸崎に会えないので。
作中の視点は終始北斗固定だったため、「こいつ作品世界の登場人物に好かれても読者様に好かれる要素無いよな」と言う嫌な予感はしていました――それでもヘタレで居続けたのは筆者の力量不足と、趣味の小説を書き始めた十二年前から連綿と続く筆者のヘタレ萌え属性のせいです。
よくよく考えてみれば最初に書いたファンタジー小説で自分が一番萌えていたキャラだって、妹を愛してしまいその感情から目を背けるために逃げるように災厄払いの旅に出た若い神官Rだったし。うわぁ改めて自己分析すると相当根が深いなこりゃ。ノマ時代も、完結長編の攻めはYもAも駄目駄目で、一番マシなR君も自分は押さずにあっさり身を引いたし。そう言う意味では南斗は筆者好みのヘタレ攻めの極北で、ここ十年での最萌カプの片翼を担うべくして担っているような気はします。
35話で南斗の株が思いっきり下がったため、このまま62・63話を書いたら更に非難囂々なのではないか、と辿り着くまで終始不安だったのですが、実際には南斗の評判が一番高かったのはこの二話でした。そして63話裏と直前の落書きで変態入ってる認定を受けたこととで筆者のリミッターが間違った状態で外れ、小野寺や行平に担わせるはずだった座をあっさり奪い去り、あまつさえ筆者が十二年の間に作ったキャラの中でも並ぶものないエロ担になってしまいました。
あれ、北斗より解説が長いぞ?
菱井 良介:
無愛想主人公に対する元気な悪友、という当初のコンセプトから遙か彼方へと通り過ぎ、恐らく作中で一番株を上げた登場人物。北斗以外で一番多く好きだというコメントを読者様方から貰っています。実際、最初はちゃらんぽらんだったのが話が進むにつれて頼りがいのある男に。
菱井はかなりギリギリまで精神的に我慢出来、しかも自己犠牲精神が強いタイプです。彼にとっての北斗は親友であると同時に「もしかしたらこうなっていたかもしれない自分」なので、どうしても北斗の手助けをしたい、という心境になっています。
でも名字はその時読んでいた漫画から、名前の方はフィーリングで適当につけ、未だ脳内ビジュアルが定まっていないという有様で(注:現在では存在しています。今は小野寺が顔無しキャラ――と言うより絶対に自分で描けない)、お気に入りキャラの割に優遇度合いが極端に少なかったりします。
幸崎 隆:
優しくてずるい、そして弱い大人、と言うのがこの人のコンセプトでした。物語序盤では幸崎を前にした北斗の態度が明らかに違っており、これはBLなのかと言われた作品の貴重なBL成分を担っていました。ただ作品のカップリングは最初から南北と決まっており、あまり幸崎を良い人にすると北斗の心が離れなくなってしまうので、中盤以降のさじ加減が一番難しい人物でした。北斗の質問に答えなかったあたり、最後の最後まで「曲者せんせー」で在り続けましたね。
小野寺 優:
一度で良いからベタなBLを書いてみたくて作った登場人物です。名前はまず菱井の「良」介ありきで「優」に、そしてユウでは何やら俺様要素を感じられなかったので、かぶりを承知でスグルにしました。作中では北斗から見ると逃亡の手助けをわざわざしてくれる親切な人ですが、菱井から見ると……。
酒谷 統:
人物紹介に掲載されているメンバーでは一番最後に出来た登場人物です。色々と偶然が重なって、名字を拝借した人との共通要素がかなり出てきてしまい……その方がモデルというわけではないのですが。彼もまた「すばる」と言う星の名前であり、南斗と仲が良かったのもその辺りに一因があります。
山口 郁美:
序盤では強烈なキャラだったのに、文化祭以降出番が全然ありませんでした……ごめんなさい副会長。「Shotgun Killer」では出番増やします。
奈良 美佳:
第1話から終盤まで双子に振り回され続けた或る意味一番気の毒な登場人物。可愛くて素直で良い子だけどパニック体質。誤報事件は当初、南斗から直接奈良さんに「北斗をよろしくね」と言って貰おうと考えていたのですが、即誤解が解けてしまうので変えました。結果公開処刑……奈良さんにもごめんなさい。
久保田と橘:
ごく普通の、一年一組のメンバー代表。久保田は菱井に小野寺が充てられたためにノーマル恋愛要因へとレベルアップ……いや、微妙に趣味がおかしい気がしますが。この二人を含め、作中の登場人物の名字は一人を除きフィーリングと「どの行の名字が足りなかったか」という検討で適当に割り振られています。
緑川 泰基:
三人組の中でただ一人フルネームがあり、菱井にすら存在しない個別顔まであります。実は彼だけはノマ時代から生き延びたただ一人のキャラで、その歴史は当サイトでは天宮兄弟に次いで長いです(セイとミズは中学の時とはまるで別物なのでノーカウント)。最初はお貴族様の服に仮面に縦ロール(と偶に口ひげ)の勘違い美学キャラ、パラレル変換を経て勘違い美学カメラマンと来て、変人写真部員になったという流れ。周囲のレベルに合わせてかなりそぎ落としているのですが、それでも作中一「濃い」キャラになりました。でもこういう人動かしやすいんですよね。
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