【久保田の心の友(ディアフレンド):ファーストコンタクト】
2006.12.06 08:03
階段の踊り場にある窓から体育館の壁が見える。見下ろすとたまに体育の授業が終わって出てくる女子達がいるから、俺は時々――今もここで立ち止まって外を眺めている。
「あーあ、何でブルマ全盛期に生まれなかったのかな俺」
萌える体操着の基本ったらブルマに決まってる。なのに最近じゃ女子にもハーフパンツがすっかり浸透しちまってて、悲しいことに俺は生ブルマにお目にかかったことがない。
「――まだ良いじゃないか、下はジャージ着用のみ可、ってわけじゃないし。ハーフパンツはあれはあれで良くない?」
「そうかぁ?」
「見えそうで見えないのがね」
「チラリズム派か……マニアだなお前」
「体操着で一番好きなのは腹チラだけどね」
勘だけど、こいつ絶対コス属性持ちだ。そう思って話題振ってみると、話はすげぇ盛り上がった。
予鈴が鳴る頃やっと相手の顔を見た俺は、危うく大声を出すとこだった。
「――まさか、会長があんなに話せる奴とは思わなかったね」
昼休み、俺はさっきの話を一年の頃のダチにしていた。今でもこいつらとは時々一緒にメシ食うほど仲が良い。
「お互いコイビトに何着せてやりたいかって話してさぁ――」
「……お前ら、さいってー……」
見れば天宮が顔をおもいっきりひきつらせていた。
「会長と同じ顔なのに、お前は潔癖なんだな意外と」
「っ……!!」
天宮は勢い良く席を立って逃げ出してしまった。
「こりゃー今夜は荒れるだろーな……」
「は?」
「久保っち達は多分わかんねーよ……それよりその話、広めんなよ。酒谷が粛清に来るぞ」
菱井の言うことは良く分からなかったが、同志をこれ以上売るのはよくねぇな、って思ってうなずいておいた。
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