【酒谷編 おまけ】
2006.08.22 07:18
「北斗」
「……」
「ねーぇ、北斗ってば」
「…………」
――駄目だ、完璧に怒ってる。さっきから目を合わせてもくれない。
今日は意地悪しすぎたかなぁ。でも顔真っ赤にして困っている北斗ってあまりにも可愛いから、つい歯止めが効かなくなるんだよね。
いや本当はわかってるんだけど。
北斗が怒っているのは、そっちよりも酒谷に見られた事に対してだ。
「お前、自分の部屋戻れば?」
「え?」
「向こう一週間接触禁止だこのボケ。当然沿い寝もナシだ」
「そんな!」
2006.08.23 07:47
「はぁーー…………」
「会長、そんな盛大に溜め息なんかつかれて、どうしたんですか?」
「馬鹿は放置して良いよ。湯島、根岸。ちょっと休憩しようか」
僕は自分の財布から千円札を取り出し、根岸につきつけた。
「ペットボトルは不可。会計の名に恥じぬよう、釣り銭の誤魔化しはしないこと。湯島もついていって好きなの選んできなよ」
「ありがとうございます、副会長。お二人には何を?」
「僕はミルクティー、あの馬鹿はコーヒーのブラック」
一年生二人を生徒会室から追い出してから、僕はミナミヤに声をかけた。
「――で、どんな理由?」
「北斗にもう四日も触ってない……」
禁断症状が出そうだ、なんてミナミヤはうめいた。お前はどこの中毒患者だよ。
「北斗、あの時酒谷に見られたこと怒って、接触禁止された」
物凄く恨めしそうな顔でこっちを見るもんだから、自業自得だとはねつけてやった。
「だいたい、僕こそが最大の被害者だよ。いきなりあんなもの聴かされたんだから」
「そうだった! 北斗のあの声を俺以外に聴かれたなんて!」
一回本気でぶん殴ってやろうかとも思ったけど、多分それはキタミヤの権利だから、やめておいた。
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