INTEGRAL INFINITY : extrastars

【単発 その3】

2006.07.28 07:24

「お前なんで携帯着うたとかにしねぇの?」
「いや、鳴れば同じかな、って。それに一番欲しいのはダウンロードできないし」
「菱井は自分でCDから録音して根性で造ってたぞ、何か洋楽の奴」
「出来るんだ? だったら北斗、協力してよ」
「へっ? 何を?」
「北斗の声録音させて。内容は俺への愛の言葉で」
「ばっ……! んなもん絶対普段使えねぇじゃん!」

 

2006.08.09 22:24

「南斗ー、おい、南斗?」
 いくら声かけても返事無かったから部屋のドア開けてみたけど、南斗の奴は中にはいなかった。
 何かで中座してんのかな、って思って、取り敢えず中で待つことにした。
「あれ、パソコンつけっ放しじゃん」
 こないだの俺らの誕生日のとき、両親からもらったプレゼントだ。ちなみに所有権は半々だが、南斗の部屋に置いてあんのは俺と南斗の信用度であいつが勝ったからだ――こういうとき蓄積の差がモノをいうのは何かむかつく。
「あれっ、何だろこの立ち上がってるソフト――波形?」
 イヤホンが接続されてんのは、やっぱ音楽編集でもしてんのかな。
 たとえば俺は流行ってるもんなら何でも聴くし、菱井はパラパラってかそっちの系統の洋楽が好きだ。南斗の音楽の趣味ってあんま知らねぇな、そういや。あいつ人前で聴かねぇし。
 好奇心に駆られた俺はイヤホンをはめて、ソフト上の再生ボタンをクリックした。

……。
…………。
――――……っ!!!!

「あれ、北斗こっちにいたんだ?」
「てっめぇぇぇぇぇ!! いつあんなもん録音したんだよ!!!」
「何、勝手に人の作業中のファイル再生したの? あー、ロック設定しておけば良かったな」
「そんな問題じゃねぇ! お前あの音声何に使う気だったんだ!」
「それは秘密」

 

2006.08.12 23:01

「あっ、いま流れた」
「どこどこ? ……チックショ、見逃した」
「まだまだ沢山見れるよ。北斗、流れ星に何お願いする?」
「ばっ! しねぇよそんなガキっぽいこと」
「俺はするよ? お前とずっと一緒にいられますように、って」
「……そんなん今更願う必要ねぇじゃんか」

「そこ! 二人の世界作るんじゃないよー!」

「しまった」
「合宿中だったんだ」

 

2006.08.16 12:06

「冬休みどうする? 初詣で合格祈願やっとく?」
「ごめんオレはパス。正月は九州のバァさんち行くから」
「ちぇー、良いよな推薦合格決めた奴は……北斗?」
「わっちゃん! 頼む、一生のお願い!!」

(そして「押入れの奥」へ続く)

 

2006.08.18 12:47

「――うわぁっ!?」
「んっ……なに、南斗……」
「な、何でもない。まだ朝じゃないから寝てて良いよ?」
 北斗に布団を掛け直しながらも、俺はさっきまで見ていた夢を思い出して動揺していた。
「……何で幸崎先生?」

 

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