INTEGRAL INFINITY : extrastars

【単発 その2】

2007.02.25〜2007.03.14 Web拍手お礼SS

「なぁ、メシどこで食う?」
「マック」
 菱井の問いに小野寺は即答する。
「えー、またかよ!?」
「行きたいところを率直に言って何が悪い」
 そう言って傲然と胸を反らす小野寺に、菱井は苦笑した。何故なら最近の小野寺がマックに拘る理由を、菱井は知っているからだ。
「そんじゃ急ごうぜ。こないだは売り切れてたもんなー、メガマック」
 帰国子女というハクのためか育ちがよいと思われている小野寺だが、実はこういったジャンクフードが何よりの大好物だ。むしろ海外暮らしの経験こそが彼の味覚を決定づけたのではないか、と菱井は踏んでいる。
「優、ハンバーガーの食い過ぎで、あの映画の太るやつ――タイトルなんだっけ、それみたくなったら別れるからな」
「身体は鍛えているから問題ない」
 小野寺は特定の運動部には属していないが、スポーツが嫌いなわけではない。ジムにも時々行っているようだ。
「良介こそ少しは運動したらどうだ」
「お前がそんな事言うのかよ」
 菱井が敢えて恨みがましい視線で言うと、小野寺はらしくもなく表情を曇らせた。
「あ、今わりーって思っただろ」
 今日は優のおごりな、と菱井は破顔一笑した。

 

2007.03.14〜2007.04.02 Web拍手お礼SS

「優、合格おめでとー」
 小野寺の部屋に上がるなり、菱井はそう言ってリボン包装された箱を突きつけた。
「くれるのか?」
「ああ、合格祝い兼ホワイトデーのプレゼントな」
 開けて良いか、と小野寺が訊くと、菱井は首を縦に振った。
 プレゼントの中身はボールペンとシャープペンシルのセットだ。お祝いが二つだから、二本。合格発表より前に用意しておいたのは、小野寺が二次試験に対し「思ったより簡単だった」というとんでもない感想を述べたからだ。
「予想外に立派だな」
「何だよその失礼な感想――流石に今回、けっこー奮発したんだぜ?」
 バレンタインの時、小野寺からCD三枚分の値段はするチョコレートを貰ったので、菱井はCD4枚分ほどの予算を組んでプレゼントを探したのだ。
「合格祈願の時と言い、また文具かよ、って感じだけどなー」
 小野寺から突っ込まれる前に、菱井は自分からそう言って頭を掻いた。
 一応、前回が鉛筆だったので、今回は違う系統のものにしようとは考えたのだが、結局文具に落ち着いたのは、学生である以上毎日使ってくれるかもしれない、と思ったからだ。
 果たして、小野寺は講義に出る際使わせてもらう、と約束してくれた。
「俺の方からも何かやらんとな。良介は何か欲しいものがあるか?」
「え、いや、俺はいーよ! ほら全然たいしたもんやってねーし」
 可奈子に教えられて作ったトリュフを菱井も食べた事は食べたのだが、方法がやや特殊だったせいで味はよく憶えていない。ただ、出来はそんなに良くは無かった、と思うのだ。
 菱井は固辞したが、小野寺は「礼をするのは味にじゃない、気持ちにだ」と押し切った。それにこの先、今までのようには逢えなくなるから、とも。
「じゃあ、俺も毎日使えるようなもんがいい」
 北斗や和地にはからかわれるだろうが、小野寺の卒業式以来、菱井の心には熟れすぎた林檎のようにぐずぐずした部分があって、感傷的な言葉を言わせるのだ。
「なら、いっそ首輪でも着けてやろうか?」
 またからかわれた、と頭が理解するより前に、菱井の怒りが沸点に達した。

 

2007.06.18 07:50

from:良介
Sub:ひるめし

お前まさか毎日あのなんとかテリヤキ食ってんじゃねーだろな?
メタボ一直線だぞ?

 

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