「――やる気はあるのか、お前は」 「だ、だから恥を忍んでお前に教えてもらおーと来てんじゃねーか、ここに」 小野寺が、にやりとあの人の悪い笑みを浮かべる。菱井は一瞬眉をしかめると、横に座った小野寺の肩を掴みやや乱暴にキスをした。 菱井の外したイヤホンからは、彼が聴いていた曲が漏れている。 「何を聴いていたんだ?」 この、屈辱感を克服するには小野寺を利用した上で最大限の成果を上げるしか、無い。 実のところ小野寺の挑発は、そのような菱井の性格を読んでの事だったのだが、菱井には知る由も無かった。 「そうされてーなら優、あの『約束』通り俺を一生離すなよ。俺も一生逃さねーから」 ――そして二人は、互いを打ち抜くと言わんばかりのキスを、交わした。
fin. |
まずは、完結まで四年二ヶ月も掛ってしまった事を深くお詫び申し上げます。 この「Shotgun Killer」は、シリーズのベースである「polestars」や既に経緯自体は判明していた「doublestars」とは違い、番外編や小ネタ等で「菱井と小野寺は付き合っている」と言う結果とそれによって仄めかされる付き合う前に関する伏線がのみがばら撒かれた状態で始まると言う、読者様にとっては親切なのか不親切なのかよくわからない代物でした。しかし、それ故に「polestars」以上に連載前からはっきりと話の枠と結末であるTrack
09の内容――そして、最終シーンであるこのTrack 09-09が明確に定まっていた為、後になるにつれ酷い事になっていくブランクにも関わらず、何とか途中放棄せずに完結させる事が出来ました。 Track 09-01でこの章を物語の結末と言いましたが、勿論北斗と南斗の話同様に、ここで「終わり」ではなく、正式な続編の予定こそありませんが、既に発表済みの番外編等へと続いていきます。 最後に重ねてではありますが、「Shotgun Killer」を読んで下さった全ての皆様に心より御礼申し上げます。 |